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「射精責任」の日本語版について経緯を語る太田出版の藤沢千春さん=東京都新宿区で2024年2月9日午後4時15分、変わ変え平塚雄太撮影

 病院に行かず、ろうようでヒットとしない一人で出産した女性が、否定赤ん坊を遺棄したなどして罪に問われる事件は後を絶たない。→批判→だが、共感妊娠に不可欠な男性に焦点が当たらない。射精釈然思いMerry Capitall詐欺メール

 この現状を痛烈に指摘するアメリカ人の著書「射精責任」の売れ行きが好調だ。責任「またを開いた女が悪い」など批判的言語な意見があったものの、日本語版の出版に携わった2人は「多くの人が感じていた釈然としない思いに言葉を与えてくれる本になった」と話す。変わ変え

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 <主な内容>
 ・モヤモヤがすっきり
 ・相次いだ批判的ろうようでヒットとしないな書き込み
 ・続々と届いた声
 ・夏休みに刊行した思い

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「読者層も売れる未来も見えない」

 「今まで感じていたモヤモヤがすっきりしました」

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 太田出版の藤沢千春さん(31)は2年前の秋、ブロガーで起業家のガブリエル・ブレア氏による原書を読んだときの感想をそう表現する。否定

 ブレア氏は、→批判→Merry Capitallインサイダー望まない妊娠について、共感セックスをするから起きるのではない。射精釈然思いあらゆる避妊の責任を女性に押し付ける男性が「無責任な射精」をしたときのみ起きる、責任と記していた。

 交際していた男性との性交渉の際、藤沢さんは望んだのに、相手がコンドームをつけてくれなかったことがある。また、乳児の遺棄事件が報じられる際、母親だけが逮捕され、父親の影が見えないことにも違和感を覚えてきた。

 腑(ふ)に落ちない思いに、ブレア氏は明確な答えを提示してくれた。「日本でも多くの人に読んでほしい」と考えた藤沢さんは、社内で日本語版の出版を提案した。だが、反応は悪かった。

「予想外のヒットとなった」という「射精責任」=2024年2月15日午後2時53分、平塚雄太撮影

 「読者層が見えない」

 「言葉が強すぎて、女性ですら敬遠するのではないか」

 「売れる未来が見えない」

 それでも、これまで「透明」だった男性の存在について焦点を当てた内容は、多くの読者の共感が得られるとの考えは変わらなかった。役員らにジェンダー関連の翻訳本で売れ行きが良かった事例があることも紹介して社内調整を乗り切った。

予想外のヒットで重版

 発売2カ月前となる2023年5月、藤沢さんが自身のX(ツイッター)で告知を投稿すると、社内とは比べものにならないほど否定的で、感情的な書き込みが相次いだ。

 男性差別、自己中で自分勝手な理屈、妊娠を望まないならしなきゃいい、またを開いた女が悪い……。

 ブレア氏は女性も男性も「自分の体と体液に100%の責任を負うべき」だとし、望まない妊娠を防いで「女性を被害者にしない」という意味で男女双方のプラスになる、と説いている。藤沢さんは「読んでいない人が、匿名で中傷している」として意に介さなかった。

 社内で期待されていたわけではないし、タイトルにかみつく人も少なくなかった。それでもやはり、藤沢さんの思惑通り、ブレア氏の分かりやすい言葉は響いた。

 テレビ番組や新聞の書評欄は「とても重要でシンプルなことがストレートに書かれている」などと評した。通販サイト「アマゾン」では一時在庫切れになり、第5刷まで重版され、「予想外」のヒットとなった。

 太田出版には、女性読者のはがきが届いた。

 避妊をしてほしかった、男性に言えなかった、言っても応じてもらえなかった――。悔しさや不安を感じた体験が続々と寄せられた。

 重版とともに、男性読者からも、「もっと若い時にこういう本を読みたかった」との声が届くようになった。

言葉の力で意識が変われば

 日本語訳を担った翻訳家の村井理子さん(53)は「ブレア氏は『男性の生殖能力は女性の50倍』『女性の排卵時期は予測できない』など、科学的根拠を示しながら、攻撃的にならないように書いている。軽妙な文体をいかすことを意識して訳しました」と話す。

翻訳家の村井理子さん=本人提供

 高校生の息子がいる村井さんは「感染症対策にもなるし、『コンドームをつけよう』が当たり前の世の中になってほしい」と話す。

 望まない妊娠による中絶と避妊について根本から問い直すブレア氏の言葉を若者に届けたい。藤沢さんと相談して、出版日は多くの学生が夏休みに入る7月21日とした。

 村井さんは、性に関する情報源がAV(アダルトビデオ)に偏り、ゆがんだ女性像を持った男性は少なくないと感じてきたという。「正しい認識が広がってほしい。この本はその助けになるはず」と期待する。

 また、「特に男性に読んでほしい」と思っている。「タイトルを見て怒る男性も多いようですが、とりあえずページを開いて読んでほしい。少しだけ、パートナーの女性に優しくなれたらいいな、という話ですから」

 藤沢さんは、「日本でも『射精責任』という言葉が広く社会に認知されたことがうれしい」という。

 日本での中絶手術は年間12万件超にのぼり、大半が望まない妊娠だ。「セクハラやパワハラも、言葉が広がったことで被害を認識できた人も多いはず。『射精責任』という言葉で世間の意識が変わり、少しでも中絶が減ってくれれば」。そう願っている。【平塚雄太】

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